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:2025/03/17 :2025/03/16

オオイタおそと時間では、自然保護をテーマに、自然に触れ合うイベントを年数回開催している。今年度は干潟を歩く、海水浴、カヌーイベントと、夏・秋に水辺のイベントを集中させたので、キャンプや山でのイベントによい場所を探していたところ、臼杵市に鎮南山という山があることを知り、ちょっと下見に…。

誰からも言われることなくボランティアで清掃をしているご夫婦や、年間200回以上登っている人、トレーニングで走って登るお兄さんなど地元の人に加え、宮崎からの登山客なども訪れていた。すれ違う全員にお話を聞かせてもらったが、多くの人が大好きな山だと答える。この山の良さをしっかり感じたいと、「鎮南山を守る会」に連絡を取りつつ、1月末(しかも早朝集合…)という少しハード目なイベントを企画し、年明けからインスタグラムとホームページで参加者を募集した。

時期や時間から募集が難航するかと思われたが、ふたを開けると数日で予約が埋まり、みなさんの山登りに対する熱が伝わってきた。

鎮南山という名前の由来は石鎚社と尺間社が祀られ「臼杵の南方を鎮める」という言われからなのだが、地域によって大切に守られている山には多くの自然の恵みが存在する。一年を通して何らかの山野草が見ごろを迎える。

〈鎮南山に咲く主な山野草〉
 ミツマタ
 コショウノキ
 フデリンドウ
 エビネ
 キンラン
 ギンラン
 シャガ
 ホウチャクソウ
 ショウジョウバカマ
 アリドオシ
 タツナミソウ
 イナモリソウ
 イチヤクソウ
 トンボソウ
 コクラン
 ウバユリ
 アキノギンリョウソウ
 イワタバコ
 ヤブラン
 ミヤマウズラ
 コウヤボウキ
 アケボノソウ

自然の恵みは山野草だけではない。生物では九州固有種で絶滅危惧種のオオイタサンショウウオも生息しているとのこと。ちょうど産卵の時期らしいので、卵に出会えることを祈りつつ。
注意:オオイタサンショウウオは、「種の保存法」に基づく国内希少野生動植物種に指定されているため、絶対に捕まえてはいけない。捕獲、譲渡、輸出入などを行うことは法令「種の保存法」違反となり、重大な罰則に課せられる。

受付開始。参加者は、これまでたくさんの山を登ってきたベテラン登山者、たまに登る人、まだ登山を始めたばかりの人と様々な顔ぶれ。

標高536m、3~4時間かけてゆっくり楽しむ山歩き、大人数なので2班に分かれてもらい、それぞれに鎮南山で保全活動を行う鎮南山を守る会の人と自然観察指導員が1人ずつ付き添う形でスタート。

そんなに高くない山だが、冬場でこわばった体での山歩きはちょっぴりこたえる(笑)
ただ、それを上回る気分の良さを感じる。

ここからは写真で紹介

頂上近くの展望台からは臼杵市が一望できる。

コースを外れた池で、ついに念願のオオイタサンショウウオの卵を発見。

日ごろからサンショウウオなどの水生生物の勉強会を開催している自然観察指導員に話をしてもらう。

あっという間の山歩き。
不安を抱えていた参加者もスイスイ歩いて、むしろ置いて行かれそうになったのは運営の方…。普段からの運動の大切さがわかった。

鎮南山は自然豊かで、歩いているだけで楽しく、年間200回以上来る人の気持ちは少しだけわかった。
自然に飛び込むとその偉大さと重要性が見えてくる。

身近な自然に目を向けて、もっとオソトで遊んでみよう。