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:2025/03/21 :2025/03/20

増田さんたちは、自然保護を行う上で、やはり必要となるのは人だと実感していると語る。九重町をもっと魅力的にして、移住者を集め、ガイドの人たちもその収入だけで生きていく。そんな未来が作れれば、もっと持続可能な自然保護が出来るのではないかと考えている。

くじゅうネイチャーガイドクラブでは「九重のかけがえのない自然、生物多様性の恩恵と保全の大切さに気づき、守るために行動する人を増やす旅を目指しながら、地域のおける歴史・文化とも交流し、持続的な保全活動の支えとなるような活動を目指して生きたい」

という理念を体現するために、エコツーリズムの取り組みをはじめ、以下のような活動を行っている。

  1. くじゅう地域でのエコツーリズムガイド
  2. くじゅう地域での環境教育・自然体験プログラムの作成と実行
  3. くじゅう地域の活性化につながる関連事業
  4. くじゅう地域の自然環境保護に関する事業
  5. 他団体とのネットワークづくり
  6. その他目的を達成するために必要な事業

登山やトレッキングのガイド、森の観察などのネイチャーガイドを行い、くじゅうの素晴らしさを伝える活動をしていて、20人の登録ガイドは個性、年代、性別が様々、それぞれの感性でくじゅうの魅力を伝えてくれる。日本山岳ガイド協会認定登山ガイド、日本自然保護協会自然観察指導員など、様々な資格を持ったガイドが案内するのが特徴だ。ただ、ガイド業務だけで生計を立てることは、今のくじゅうではまだ難しい。くじゅうネイチャークラブガイドは屋久島のようにガイド一本で生計を立てられる未来を作るための活動をしている。

くじゅうエコツアーの代表的なコースは
・牧ノ戸-長者原(トレッキング)
・長者原-指山自然研究路-長者原(トレッキング)
・男池周辺トレッキング(トレッキング)
・牧ノ戸-久住山-牧ノ戸
・牧ノ戸-扇ヶ鼻-牧ノ戸
・牧ノ戸-黒岩山-泉水山-牧ノ戸
・牧ノ戸-猟師山-牧ノ戸
・長者原-雨ヶ池-坊がつる-長者原
・長者原-スガモリ峠-三俣山本峯-長者原
・目山登山口-涌蓋山-一目山登山口

季節によってはこんな草花を見ることもできる。

ツアー参加者のガイド料の一部は、環境保護・自然保護活動にも使われている。
・くじゅう登山道調査・補修活動
・環境省のくじゅう地域での外来植物の分布調査
・坊ガツル・タデ原・飯田高原での野焼き参加
・くじゅう地域での盗採防止パトロール
・観察路の補修

親しい人だけで行くトレッキングや登山も良いが、正しい歩き方や登山の方法、くじゅうの見どころを知るために、ガイドと一緒に登ってみると、知識や楽しみ方の幅が広がる。
初心者はもちろん、中級者にもおすすめ。

最後に、山をはじめとする自然での守るべき最低限度のマナーについて

○ゆとりある計画と充分な装備をする・登山届の提出
○車は決められた場所に停める
○トイレは登山口ですませ、大切に使用する
○ペットを連れての登山は控える
○冬季以外はストックにはゴムキャップを付けて使用する
○登山道を外れない
○花や蝶など動植物は採取しない
○ゴミは持ち帰る
○じか火禁止・キャンプは決められた場所のみ・タバコの吸い殻は捨てない
○一人ひとりがマナーを守り環境保護に協力する

自然、旅行者、ガイド、地域、みんなが喜ぶ持続可能な自然での活動であるエコツーリズムを実現することができれば、人や地域にも賑わいが生まれる。増田さんたちは自然や環境を守りつつ、今だけではなく、未来も見据えた活動を行っている。