トップ > 記事
:2023/04/06 :2023/09/01

大分市中心部から最短30分ほどで自然をいっぱいに体感できる大分県県民の森。

マウンテンバイク(MTB)のトレイルデビューに最適なフィールドです。「MTBはまだ持っていないけど、ダイナミックな大分の自然を自転車で駆け巡ってみたい」。そんなビギナーが、レンタルバイクとレクチャー付きで、山道を走るトレイルライドに挑戦します。

「MTBに乗るのは小学生以来。今日はボロボロになるまで思いっきり走るつもり」。トレイルライド初挑戦の2人がまず向かったのは、日出町でサイクルツアーやレンタルバイクを扱う「Oita Cycle Tour – Ring」。トレイル走行に適したバイクは初心者向けでも10万円弱。いきなり購入するよりも、まずは装備品も含めてレンタルで体験しようと店を訪れました。

出迎えたのは代表の藤野昌宏さん。国東半島のサイクルル-ト「仁王輪道」でライドコーディネーターも務める大分サイクルツーリズムの第一人者です。

今回は初心者2人のため、トレイルライドの注意点や乗り方など手取り足取りレクチャーします。

MTB貸出

店内にはMTBはもちろん、ロードバイクや電動アシスト付きのE-Bikeがずらり。

「今回走るコースだとタイヤの大きさはどれくらいになるんですか?」

2人はバリエーション豊かに揃うバイクに目移りしている様子です。

藤野さんに2人の身長や体格に合わせた最適なバイクを選んでもらい、しっかりと安全点検。バイクを車の荷台に載せたら、目的地へ出発です。

Ringでは自転車の輸送サービスも行っているので、今回のように「特定のコースだけ走りたい」という方にも最適です。

大分県県民の森に到着

出発して1時間。トレイルライドのコースがある大分県県民の森に到着しました。

県民の森は大分市郊外と豊後大野市にまたがる4475haの広大なエリアに、さまざまな自転車が借りられるサイクリングロードはもちろん、四季折々の草花が楽しめる広々とした公園、コテージやツリーハウスが併設されたキャンプ場など、自然の中で子どもから大人まで楽しめるスポットが点在しています。

MTBコースは2021年10月にオープンしたばかり。森の中の山道に、初級者向けから上級者向けまで3本(1本は利用休止中)のコースがあります。個人利用には事前登録が必要。保険には要加入などの条件もあるので、県民の森HP(https://oita-kenmori.jp/2021/09/26/4108/)で確認しましょう。

自転車を車から下ろし、走行前にもう一度安全点検を行い、準備万端。いよいよトレイルライドに挑戦します。

大分県民の森で走行

「自己責任」「コースの保護を」。そんな言葉が書かれた看板を前に「もう緊張してきた」と不安の声。まずは緊張をほぐすため、駐車場から舗装路を約20分、スタート地点へ向かってペダルを踏んでいきます。

今回挑戦するコースは、初級者向けの全長3.6km「マウンテンバイクコース②」を選択。自動車も走れそうな幅が広いダブルトラックが中心で、傾斜やカーブも緩やかな走りやすいコースです。比較的安全性も高いため、小学校低学年からも挑戦できます。

「コーナーを曲がるときは、ハンドル操作で曲がるのではなくバイクを傾けて」「下り坂は重心を下げるように」。2人は藤野さんからコースの解説と走行の注意点、乗り方について丁寧なレクチャーを受け、心の準備を整えます。駐車場からスタート地点までバイクを漕いで緊張がほぐれたのか、早くトレイルに入りたいと体がうずいているようです。

逸る気持ちを抑えながら、まずはゆっくり慎重に。

感覚を確かめながら、ペダルを踏み始めていきます。

「落ち葉と枝には注意!」と藤野さんから声が飛びます。

オフロードのコースに入るといきなり急カーブ。「いける!」。事前のレクチャーのおかげで、難なくクリアしていきます。

静かな杉並木を爽快に通り抜け、周りの景色に目を向ける心の余裕も出てきました。

「調子はどう?少しスピードあげるよ」。慣れてきた2人を見て藤野さんが加速。2人もスタンディングポジションでしっかり後に付いていきます。

風を切りながら颯爽とライディングしていく2人、すっかり走路に慣れてきた様子。

スタートから5分ほど行ったところで一旦ストップ。

「平気そうだね」。藤野さんのねぎらいに2人は「普段の自転車とは違う振動に最初はびっくりしたけど、少しだけ腰を浮かせて揺れをかわせるようになりました」とコツを覚えた様子です。

再びペダルに足をかけいよいよ終盤。

木の根が張り巡るコースを、走路を探りながら乗り越えていきます。

ゴール手前に待っていたのは見上げるような急な上り坂。なんとか乗り通そうとする2人ですが、最後は降参。泣く泣く手押しでゴールインしました。

「スリルと迫力があってやみつきになりそう。大分はほかにもトレイルがあると聞くので、また挑戦してみたい」。今回の体験で、新しいアウトドアの楽しみ方を見つけたようです。

日本にMTBが導入されたのは80年代。見た目の良さからまち乗りを中心に爆発的に普及しましたが、本来の楽しみ方である自然の中を走るトレイルライドが注目され始めたのは、東京五輪で採用されるなどしたここ最近のこと。各地でコースが整備され、トレッカーやハイカーとすみ分けが進んでいます。

自然の中をハイスピードで駆け抜けると、普段は使っていない神経が研ぎ澄まされ、心身のあらゆる部分が刺激されます。次々と現れる木の根や岩場のどこを走るか見極めながら、バイクをコントロールすることは一種の自己表現のよう。しかし相手は大自然。事前の準備と万が一への心構えも大切になります。なるべく自然に負担をかけないためコースを外れない、歩行者優先などルールを守らなければ、嫌われるアクティビティになってしまいます。

ビギナーは舗装路や公園のオフロードサーキットで練習し、必要ならガイド付きツアーから挑戦してみるのもおすすめです。

■概要

大分県県民の森

住所:〒870-1201 大分県大分市廻栖野2007-1

電話:097-588-0656

管理者:公益財団法人森林ネットおおいた

Oita Cycle Tour Ring

住所
大分県速見郡日出町3889-3 1F
電話
0977-72-0044
担当者
藤野 昌宏
MESSAGE
こんにちは!OitaCycleTour Ringの藤野です。サイクリングは健康増進に最適なスポーツですが、同時に地域の自然や文化、歴史、そこに住む人々と触れ合う事の出来る素晴らしいアクティビティでもあります。普段通らない道を爽快に走り、まだ見ぬ絶景を探しにともに冒険しましょう!!