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:2023/10/16 :2023/10/16

干潟と聞いてすぐに思い浮かぶのは、有明、カブトガニ、ガタリンピック、なんかぬるぬるしてる…。でも、そのなりたちや個性については意外と知らない。日本最大の干潟は有明海と八代海に集中していて、なんと日本の干潟面積の6~7割を占めるのだそう。これに次ぐ国内約1割の面積(瀬戸内海最大)の干潟が大分県の中津干潟だということを、みなさんご存じでしょうか?

今回は、中津干潟で環境活動や子どもの体験活動を行っている「水辺に遊ぶ会」が運営する「ひがたらぼ」におじゃましてお話を聞いた。

出迎えてくれたのは理事長の足利慶聖さんと事務局長の山守巧さん。

話を聞くと、中津干潟だけではなく、中津の水辺全般の環境について考え、活動する会なのだとか。

▲理事長の足利慶聖さん。
水辺に遊ぶ会は、ひたむきな活動が様々な団体から評価され、 ついに今年は緑綬褒章を受章した
▲事務局長の山守巧さん。
自然・環境・土木の知識を持ち、会の運営全般に加え、パンフレット、ホームページのデザインまで自分で行うマルチプレイヤー
▲印刷物の一例。ページを開くと多くの人にわかりやすく伝えようという想いが溢れ出す

水辺に遊ぶ会の発足は1999年7月1日。

最初は初代理事長足利由紀子さんをはじめとする数人で、中津干潟(水辺に遊ぶ会が名付けたのだとか)のための会だった。当時、中津干潟で大規模開発計画があり、自然に及ぼす影響などを踏まえて、中津干潟を守るために行政と協議を続けた。

▲初代理事長の足利由紀子さん

「中津干潟を守る」という会の大目標は達成したが、活動を続ける中で意思を同じくする人たちも多くなり「やめる理由が見つからない」という理由で、現在は水辺の保護のほか、子どもたちに体験を通じて関心を持って考えてもらう活動を多く行っているとのこと。

水辺で遊ぶという軽いネーミングとは裏腹に、ものすごく真面目に活動する背景を持つことはわかったが、この取材で代弁するには知識が足りず、中途半端な説明になるかもしれないので、真面目な取り組みの詳しくはホームページをご覧ください。(NPO法人水辺に遊ぶ会 http://mizubeniasobukai.org/

水辺に遊ぶ会が取り組みを行う上で大切にしていることがある。
それは、多くの人に体験して、知って、楽しんで、考えてもらうこと。

みんなおいでよ中津干潟
ずぼっとはまって干潟あそびは楽し-観察会
べんりな世の中のひずみを見る-海岸漂着ごみ
にんきものはカブトガニ-環境学習・啓発活動
あやしい干潟調査隊が行く-調査研究活動
そんけいするのは漁師さん-干潟漁業との連携
ぶんかや歴史は大切な海の記憶-郷土史調査
かんがえよう干潟のこと-博物館「ひがたらぼ」
いじょう、お気楽ゴクラクな水辺に遊ぶ会でした

ホームページに書いてある事業内容だが、タイトルの頭の文字をつなげると…、み・ず・べ・に・あ・そ・ぶ・か・い…。遊びゴコロたっぷり(笑)

この事業内容の中から、今回は参加できるものとわかりやすいものをご紹介。

 


(1) ひがたかんさつかい

干潟遊びの醍醐味といえばやっぱりコレ。びちゃびちゃの干潟でじゃぶじゃぶ遊びながら
ダイレクトに自然を感じる観察会。もっとも潮が引いた時には普段は海の底である干潟を3㎞くらい沖の方まで歩いていける(※潮が満ちると戻れなくなるので要注意)。魚やカニ、巻き貝、二枚貝など、干潟には生き物があふれている。生き物に詳しくなくても楽しめるので、気軽に参加してみては?


(2) ビーチクリーン

年に4回行っている清掃活動。毎回100名を超える参加がある大規模な催し。昔に比べて海岸のごみは少なくなったが、後を絶たない漂着ごみから海の環境を保全するために行っている。


(3) 調査研究

水辺に遊ぶ会の主な活動は多くの方に水辺環境の大切さを知ってもらう啓発活動だが、これらの活動の科学的裏付けとなる様々な情報を得るための調査活動にも重きを置いている。活動開始時には、国内の様々な研究者の指導の下、「市民の手による学術レベルの調査」を目標に様々な調査を実施することによって、中津干潟の「希少性」を次々と明らかにしている。


(4) 中津干潟アカデミア

中津干潟に価値を見出す研究者と市民が分野や垣根を越えて、生物や干潟環境に関心を持つ子どもたちに面白さや意義深さを知ってもらい、将来の進路を考える機会にすることを目的として行っている。

他にも「わたり鳥観察会」「川の観察会」「お魚ホネホネ教室」「お魚料理教室」「海苔すき体験」などなど、楽しい活動が目白押しだ。

自然を保護するとか、環境について考えるとか、難しいことは置いておいて。
自然と、水辺と一度遊んでみてはいかがでしょう?
自然が気づかせてくれる新しい扉を見つけられるかもしれませんよ。

活動内容・イベント情報はこちらから
ホームページ:NPO法人水辺に遊ぶ会 http://mizubeniasobukai.org/
フェイスブックページ:「NPO法人水辺に遊ぶ会」

今回おじゃました「ひがたらぼ」は、小さな干潟の博物館。
展示物などもあるので、気軽に立ち寄ってみては?
※調査・イベントなどで不在のこともあるので電話連絡後の訪問の方がいいかも

ひがたらぼ
所 大分県中津市東浜1151−4
TEL 0979-77-4396
営 10:00~16:00
休 土・日曜

水辺に遊ぶ会

住所
大分県中津市東浜1151-4
電話
0979-77-4396