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:2024/03/26 :2024/03/26

暖かい季節もあれば寒い季節もあります。私たちが陽気に誘われて出かけたい季節は、自然界の生き物も活発になる季節。

野山などでアウトドアを楽しもうと準備なく出掛けると、色んな生き物と鉢合わせたとき、トラブルになってしまうこともあります。彼らにとっては自分たちが住んでいる場所。身を守るために攻撃してくることは当たり前です。お邪魔しているのはいつも人間の方だと考えて、生き物の特徴や対処法についてあらかじめ知っておきましょう。

知っておくのと知らないのでは大違い。備えなく漠然と怖がるのではなく、きちんと備えて楽しみましょう。今回はそんな危険生物をちょっとだけご紹介。

※参考資料/日本キャンプ協会アクティビティシート

●スズメバチ

[特徴]攻撃的な性質。強い毒を持ち、アナフィラキシーショックと呼ばれる、急激なアレルギー反応による死亡例も多い。秋は繁殖のピークなので、被害に遭う危険性が高まります。葉っぱの下や木の根に隠れていることもあり、早く動くものに反応するので、見つけてもふり払ったり、捕まえようとしたりせず、静かにその場から立ち去りましょう。

[対策]黒っぽいものを攻撃する習性があります。明るい色の服を着て、頭に明るい色の帽子をかぶった上で、逃げるときは頭や目を隠しましょう。もちろん、蜂の巣には近づかないように。

[対処]もし刺されてしまったら

1) 集団での2次攻撃を避けるため、その場からできるだけ遠ざかります

2) 流水でよく洗浄します。傷口をつまみ毒液を絞り出しながら洗うと効果的です

3) ポイズンリムーバーがある場合は使用してください

4) 持っていれば抗ヒスタミン剤の入ったステロイド軟膏を塗り、患部をよく冷やします

5) 上記の処置を行っても頭痛・発熱・蕁麻疹・呼吸困難などの症状が出る可能性があります。そういった症状が出た場合は、救急要請するかすぐに医療機関に行きましょう。

●マムシ、ヤマカガシ

[特徴]マムシは体長45~60cm。頭部が三角形で胴には大きな銭型の楕円形の斑紋があるのが特徴です。低山地の平地・山林に広く生息します。攻撃的ではないですが、国内で最も被害が多いヘビです。

ヤマカガシは体長60~120㎝。水辺を好み地域によって色や模様が異なります。非常におとなしいですが、マムシより強力な毒を持ちます。マムシほどではないですが、ときどき被害が出て話題になります。

[対策]短パンやサンダルで動き回るのは避けましょう。見つけても刺激せず、静かにその場から離れましょう。

[対処]かまれた時、毒を口で吸いだす行為は絶対に行わないでください。またかまれたところを冷やしてはいけません。毒の回りがそれほど早くないので、まずは慌てず安静に。傷口から心臓寄りのところを軽くしばり、早急に病院へ行きましょう。

 ●マダニ

[特徴]皮膚にかみついて血を吸います。吸血前は3mm程度ですが、吸血後は15mmほどになります。身近な森林や草むら畑などの身近な屋外に広く生息しています。近年、マダニを媒介したSFTS(重症熱性血小板減少症候群)の感染による死亡例もあるため注意が必要です。

[対策]肌を露出しないでください。帽子・長袖・長ズボンを着用し、草むらに入る場合は、ズボンの裾に靴下を被せましょう。ハイネックもしくはタオルを巻き、首の露出も控えることがおすすめ。帰宅後は、全身や衣服にマダニが付着していないかチェックをしましょう。

[対処]かまれていても痛みやかゆみなどの自覚症状はほとんどありません。かまれていたら手で引っ張ったりせず、マダニが付いたまま速やかに皮膚科を受診しましょう。数週間程度は体調の変化に注意し、発熱などがあった場合は早めに医療機関を受診しましょう。

 

自然の中には、人間にとって危険な生き物はたくさんいます。

危険の正体はそれぞれの個体が生きるために身につけた能力です。

自然は人間だけに与えられたものではないので、共存できるよう、知識を身につける必要があります。

 

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【ファーストエイド】

最後に、キャンプ中に起こりやすいケガや病気の応急処置方法をご紹介します。

●やけど

すぐに冷水で冷やします。衣服の上からやけどをした場合は、衣服を着たまま冷やします。

水ぶくれができた場合、破かないように気を付けて医療機関を受診しましょう。

●熱中症

風通しのよい日陰など涼しい場所に移動します。衣服を緩めて、血流が多い首筋や脇の下などを中心に、保冷剤やうちわなどを使って体温を下げましょう。スポーツ飲料を飲ませて水分・塩分を補給してください。ただし、意識混濁や吐き気の症状があるときは、水分が誤って気管に入る恐れもあるため、むやみに飲ませないようにしましょう。呼びかけに応じない場合や意識が混濁している場合は、すぐに救急要請してください。

万が一負傷した際にキャンプ場の場所によってはすぐに医療機関を受診できない場合もあります。その際に応急処置を行うための道具をファーストエイドキットといいます。

以下のものが入っていると安心です。

・減菌ガーゼ/防水フィルム
・包帯
・テーピング
・絆創膏
・ステロイド剤の軟膏
・ポイズンリムーバー
・常備薬
・三角布
・使い捨て手袋
・ハサミ
・毛抜き
・ゴミ袋
・水

楽しい思い出つくりのためにも、備えあれば患いなし。

詳しい情報は
公益財団法人日本キャンプ協会
https://camping.or.jp/