春キャン -春の自然満喫キャンプ-
竹田市神原の「あ祖母学舎」で2024年3月9・10日に開催したオオイタおそと時間キャンプイベント。
前回は昨年10月に「るるパーク」で開催したが、今回は寒い時期にとってもとっても山の中。自然豊かな環境に加え、寒さで本当の暗闇や満点の星空にお会いできるので、やりたかったイベントをたくさん盛り込んで募集を開始した。
暦の上では啓蟄(寒さが緩んで春の陽気に誘われて土の中から虫たちが動き出す季節)を過ぎた日程での開催だったので、いくらか寒さは和らいでいるものと思いきや…まさかの寒波。イベントまでの1週間、小さいお子様連れの方などのキャンセルも出て、気温と天気にやきもき。あー、やっぱり時期を間違えたのか…。タイトルにある“春”とは思えない寒さ。いや、それも自然の醍醐味と切り替えて考えよう。
【イベント概要/スケジュール】
寝具や防寒以外は事前にほぼ準備しなくてよい「おまかせコース」と、好きなように楽しんでもらう「一般コース」の2組に分けて募集。
2日間のスケジュールは以下の通り。
3月9日(土)
12時30分 受付開始
13時00分 オープニング
13時30分 テント設営講習(おまかせコースと希望者)
15時30分 火起こし体験(おまかせコースと希望者)
17時00分 夕食(おまかせコースは飯ごう炊さんなど)
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17時30分 ジビエのふるまい(希望者)
18時30分 片付け(おまかせコース)
20時00分 キャンプファイヤー
20時30分 星空観察(30分程度)
22時00分 就寝
3月10日(日)
06時30分 起床(おまかせコースは朝食づくり)
08時00分 バードウォッチング場所に移動開始
08時30分 バードウォッチング(1時間程度)
10時00分 片付け開始(おまかせコース)
11時00分 エンディング
12時00分 おまかせコース解散
14時00分 すべての参加者の撤収完了
自然を満喫するためとはいえ、ちょっと盛り込み過ぎたか…。けっこう忙しいぞ(笑)
当日の朝。
相変わらず天気には恵まれる(写真は風に飛ばされた配布物の回収に翻弄される大人たち)。
運営スタッフたちも最高の天気に一様に笑顔。写真は大分市キャンプ協会さんなど、アウトドアのすごい人たちなのだが、少しやんちゃな大人に見えてしまうのはご愛敬(笑)
テンバスタッフの前掛けを付けた方は「あ祖母学舎」のトヨダさん。2日間よろしくお願いします。
「あ祖母学舎」は祖母山麓体験交流施設で、「感動する力」を高める体験型施設。今回は外でのキャンプだが、元々小学校だった建物の中でも宿泊できる(お風呂もある)。詳しくはホームページで。https://www.asobougakusya.com/stay/
夜間から早朝にかけて極寒が予想されるため、竹田市荻町の「堀木材」さんに薪とスウェーデントーチを発注。持ってきてくれた。ありがとうございます。
SDGsなどにも関心が高い企業で、ここでも色々と書きたいのだが、また別の機会に。詳しくはホームページをご覧ください。https://horimoku.jp/
受付が終わり、オープニングの顔合わせ。
ちょっとネイチャーゲームを楽しんで(自然の中で見つけた感覚で作るフィールドビンゴ)。
テント設営。キャンプ協会さんに教えてもらいながらコツコツコツコツ…。
小さいお子さんも真剣な眼差しで取り組んでいる。
続いて火起こし体験。
ボタンを押せばコンロに火がつき、蛇口をひねればお湯が出る。そんな日常を送っているからか、火をおこすためだけにたくさんの道具と時間を使い試行錯誤することは、大人にも子どもにもとても新鮮。
バタバタしているうちに、もう夕食の時間。
ジビエをじゃんじゃん焼く。猪肉なのだが、新鮮で素晴らしい処理をしているからか、まったく臭いがない。食べる人が多いのでまるで地鶏のように一気に網焼き。写真はスタッフオリジナルキャンプ飯? イノシシラーメン。
食事が終わり、息もつかせぬ間隔で、当初の予定と順番を前後して星空観察。
総括するには早いが、ひとつ反省点を挙げるとすれば、あれもこれも…と、イベント目白押し過ぎてゆっくりできない(笑)
それでもみなさん楽しんでくれているようでちょっと安心。
星空観察スタート。
今回のイベントはやりたいことを盛り込んだだけに妥協はしない。専門家を呼び、見たこともない巨大な望遠鏡で木星や流星を観察。木星の衛星までしっかり見えた。感動。
太陽が沈む時、山が近いからスッと急に暗くなったのが印象的だった。周囲に暗闇を遮るものが何もなく、街中の夜よりも圧倒的に暗い。これだと確かに昔の人は寝るしかないな。
キャンプ初日最後のイベント、キャンプファイヤー。
みんな寒さで凍えてしまうかなと思っていたが、なんとか楽しく開催できた。
ひとつ不安点。みんなこの寒さで眠れるのだろうか…。念のため屋内の部屋はおさえておいたが、みなさん寒さ対策はバッチリのようで大丈夫とのこと。
2日目の朝。
今日は朝食のあと、バードウォッチング。
朝はむちゃくちゃ寒いとテレビは言っていたのだが、風がないからか凍えるほどではなく、ちょっと安心。
でも…、
ん?
見間違いか?
皆さんに感想を聞くと、ちゃんと寒さ対策ができていたのでよく眠れたとのこと。さらに聞くと、夜中に何らかの野生動物がお散歩に来ていたらしく、鳴き声や足音などが近くで聞こえたとのこと。想像以上の大自然を満喫してしまったようだ。
火起こしからササッと朝食を済ませて。
バードウォッチングへ。
バードウォッチングの場所は「あ祖母学舎」から車で20分ほどの「神の里交流センター緒環」周辺。
計算して作ったんじゃないのかと思ってしまうほどの素晴らしい景色。もしWi-Fiが入るのなら1日ここで仕事をしたい。
ここは祖母山登山の前泊をする場所でもあるそうで、かつて一番賑わっていた頃には、大きな民宿が3つもあり、多くの人で賑わったのだとか。
先日、探鳥会の取材でお世話になった日本野鳥の会大分県支部のみなさんを講師に招いた。
朝早くから遠くまでありがとうございます。
野鳥の会さんから双眼鏡をお借りして出発。
鳥さんたちの気分が乗らなかったのか、この日はちょっと鳥の数は少なかったけど、鳥を探しながら自然豊かな街並みを歩く。普段なかなかやらない経験ができて大満足。
楽しい時間はあっという間に終わる。
戻って片付けと閉会の挨拶。
なんだかずっと何かしていた気がする(笑)
自然の中に身を任せ、空気、緑、水や風を全身で感じる。それはもちろん大きな自然があってこそのもの。大分に暮らす私たちにとってはあたりまえにそれを享受しているつもりだったが、やはり大分市内とこことでは大きく違う。都会と比べると落差はもっと大きいのだろう。空気の冷たさのせいなのか、いつもよりも強くそう感じた。
自然に触れる。野鳥を見守る。星を眺める。炎を囲む。
そんなとても愛おしいのに自分のものにできないもどかしさは、人とのコミュニケーションなど多くのことを教えてくれる気がする。
自然の中で想いにふける(今回は少し慌ただしかったけど)。
そんな大切な時間をくれる自然について考えて、しっかりと守っていかなければならない。
参加者のみなさん、運営に携わっていただいたみなさん、ありがとうございました。
オオイタおそと時間では、今後も「自然を守り、自然と遊ぶ」をモットーに、県内の豊かな自然とふれあえるイベントを開催予定です。
新しいイベントは当ホームページで随時お知らせします。